債権回収とは、あなたがお金を請求しても相手方が逃げ回って連絡がつかなかったり、又は言い訳をしてお金を払おうとしない場合に弁護士が様々な方法を駆使してお金を回収することを言います。
1. 2つの債権回収とは
債権回収は、個人間の債権と企業による債権とで対応等が大きく異なります。債権回収を弁護士に依頼するときは、個人間の債権回収か企業による債権回収かの特徴を踏まえて弁護士を選ぶことがポイントです。
1.-(1) 個人間の債権回収とは
個人間の債権回収とは、例えば知人に貸したお金が返ってこない場合や養育費等が支払われない場合を言います。
個人間の債権回収には以下のような特徴があります。
- 個人間の信頼関係に基づく債権のため書面等が作成されないことが多い
- 企業間の債権回収に比べて低額である
- 債務者に資力がないケースが多く、債権回収の見込みが少ないことが多い
1.-(2) 企業による債権回収とは
企業による債権回収とは、取引先が売掛金や工事代金を支払わない場合を言います。「企業」と言っても、法人(株式会社や合同会社)だけでなく、個人事業主としての活動で生じた債権である場合もあります。
企業による債権回収は、あなた自身が商品やサービスを提供した対価の支払いを求めるケースが多いです。
企業による債権回収には以下のような特徴があります。
- 契約書や注文書があり債権発生の根拠が明確である
- 取引関係に基づく高額な債権が生じている
- 相手方が事業をしている場合は債権回収の手段が多い
企業による債権回収はとくに弁護士に依頼する必要が高いと言えます。なぜなら、債権の金額が高額であるため弁護士に債権回収を依頼しても費用倒れになるリスクが低く、弁護士ならではの相手方から債権を回収する手段が多いからです。
2. 債権回収を弁護士に依頼するべき理由とは
弁護士による債権回収とは、ご自身の請求が失敗したため、やむを得ず弁護士に債権回収を依頼しなければならない場合です。債権回収を弁護士に依頼することになるのは概ね4つのパターンがあります。
債権回収を弁護士に依頼する理由とは、つまり、なぜ相手方がお金を払わないかです。この観点から債権回収とは何かを考えて、弁護士を選ぶことが有益です。
2.-(1) 詐欺のケース
個人間の債権回収に多いのが詐欺だと思われるケースです。例えば、誰かに紹介された人に投資のためにお金を預けたものの、約束されたお金が支払われない等の投資詐欺と思われるケースです。このような場合は、債権回収に強い弁護士ではなく、詐欺被害に強い弁護士を選ぶ方が良いでしょう。
2.-(2) お金がないケース
お金がない場合の債権回収とは言っても、本当にお金がない場合(相手方が無職やアルバイトのケース)と建前でお金がない場合(取引先が資金繰りができないと言って払わないケース)があります。
相手方が事業を継続している場合は、お金がないと言っても債権回収の手段があることも少なくありませんので債権回収に強い弁護士に依頼するメリットがあるでしょう。
2.-(3) 連絡がつかないケース
連絡がつかない場合の債権回収とは、本当に住所が全く分からないときと電話やメールに反応がないときがあります。
前者は、詐欺のケースなどで相手方の素性がよく分かっていないこともあります。他方で、後者であれば弁護士が内容証明郵便を送ることで債権回収が可能になることもあります。
2.-(4) 相手方に反論をされるケース
企業による債権回収は、商品(売掛金債権)やサービス(請負代金債権)の提供が債権発生の根拠であることが少なくありません。そのため、商品やサービスに対して相手方が難癖とも思われる反論して、支払いを拒否することがあります。
例えば、工事の内容が思っていたのと違ったと反論される場合です。このような場合は、商品やサービスが契約に沿って提供されていたかを裁判で明らかにする必要があるため、債権回収を弁護士に依頼する必要が高いと言えます。
3. 債権回収とは何かを踏まえて弁護士を選ぶ
以上の通り一口に債権回収とは言っても様々なケースやパターンがあります。ご自身の債権回収を踏まえて、債権回収に強い弁護士を選ぶことをおすすめします。